2015年07月19日 14:10

認知症予防と玄米食

 認知症の中でも特にアルツハイマー型認知症が発症する要因には、運動不足や中年期の肥満、高血圧、脂質異常症などがあると言われています。さらに認知症が発症する20年ほど前から、「アミロイドβ蛋白」が蓄積し、5年ほど前から軽度認知障害の症状が現れることが判明しているとされています。

 その「アミロイドβ蛋白」が、アルツハイマー型認知症の患者の脳内には、増加して蓄積していることが判明しているため、アミロイドβ蛋白が脳内で固まってしまうのを防ぐ強力な作用があるとされるポリフェノール(大豆のイソフラボン、ワインのアントシアニン、ウコンのクルクミンなど)を摂取することが、認知症の予防には効果的だと言われています。

 また、高脂肪や高コレステロールの食事は、アミロイドβ蛋白の沈着量を増やすために良くないとされています。しかしDHAやEPA、αリノレン酸などのオメガ3と呼ばれる油には、コレステロール値を下げるはたらきがあり、認知症発症のリスクを下げるとされているので積極的に摂ることが必要です。

 その他、糖尿病や糖尿病予備軍の人は、アルツハイマー病発症のリスクが高いと言われています。その理由はインスリンがアミロイドβ蛋白を分解する能力を持っているからであり、インスリンの分泌が異常状態になる糖尿病においては、アルツハイマー病の発症率が3倍になるという報告があるそうです。

 玄米に含まれる有効成分であるγ(ガンマ)‐オリザノールには、このインスリンの分泌能力を高める働きがあるそうです。γ(ガンマ)‐オリザノールはインスリンを分泌する膵臓のβ細胞の細胞死を抑制し、β細胞に直接作用して、インスリンの分泌能を高める作用があることを、琉球大学の益崎裕章教授らの研究チームが突き止めています。

 それ以外にも、玄米に含まれるフェルラ酸には脳神経保護作用や、老化や酸化ストレスによって炎症が引き起こされる脳のβ-アミロイドペプチドを保護する作用があることが分かっており、アルツハイマー型認知症患者を対象に行った研究では、脳の認知機能の改善やアルツハイマーの進行を抑制する働きが報告されています。

 さらに、ホモシステインという物質の血中濃度が高い人は、動脈硬化が進み、脳卒中などを起こしやすく、認知症も発症しやすいとされていますが、葉酸やビタミンB6、B12などのビタミンB群は、そのホモシステインの分解を促進し、血中濃度を低下させて動脈硬化を抑えると言われています。

 また、アルツハイマー病にかかる人の食生活には、カルシウムや鉄、亜鉛、マグネシウムなどのミネラルが不足していることが多いそうです。

 糖質や脂質を余分に摂る食生活を続けることで生活習慣病になってしまうと、同時に認知症が併発するリスクも高まると一般的に言われていますが、ビタミンB群、ミネラル、γ(ガンマ)‐オリザノール、フェルラ酸などが含まれている玄米を食生活に採り入れることは、生活習慣病だけではなく認知症の予防にも効果的だと言うことが出来そうです。

(参考 芦刈伊世子「精神神経科領域と玄米について」『玄米のエビデンス』 キラジェンヌ)

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