玄米に含まれるビタミンの栄養効果
玄米にはビタミンB1が100gあたり0.41mgと、白米よりも約5.1倍も多く含まれているとされています。
ビタミンB1は水溶性のビタミンで、「疲労回復のビタミン」とも呼ばれ、糖質の代謝に必要不可欠です。そのため、米を主食とし、エネルギーを糖質から多く得ている日本人にとっては、ビタミンB1は特に大切です。
細胞が活動するためのエネルギー源には、主に炭水化物や脂肪が利用されていますが、炭水化物の代謝の際には、酵素が必要になります。その酵素が働くためには、補酵素が必要になるのですが、ビタミンB1は、小腸で吸収された後リン酸と結合し、補酵素であるチアミンピロリン酸 (TPP)となります。そのため、補酵素として酵素を助けるビタミンB1は、糖質の代謝に欠かせません。
玄米にはビタミンB6が0.45mg(100gあたり)と、白米の約3.75倍多く含まれています。
ビタミンB6は、たんばく質の代謝を促すのに必要不可欠なビタミンだとされています。たんぱく質を分解してアミノ酸にする酵素と、アミノ酸を別のアミノ酸に組み替える酵素の補酵素として、その働きを助ける役割がビタミンB6にはあります。
皮膚や粘膜をはじめとする多くの体組織や酸素を運搬するヘモグロビン、病原菌と闘う抗体や神経伝達物質もたんぱく質から作られているため、ビタミンB6が不足してしまうと、アミノ酸の代謝が滞り、たんぱく質の働きに悪影響が出ることになります。
また、ビタミンB6は脳の神経細胞の間で情報の橋渡しをしているセロトニン、ドーパミン、アドレナリン、ノルアドレナリンといった神経伝達物質の合成にも必要だと言われています。これらの神経伝達物質が合成される際にアミノ酸が使われていますが、ビタミンB6はそのアミノ酸の代謝に関わっています。
玄米にはビタミンEが100gあたり1.3mgと白米の約6.5倍も多く含まれています。
ビタミンEは「若返りのビタミン」と呼ばれ、細胞の老化を防ぐ強い抗酸化作用があります。
細胞膜は細胞の中の核や遺伝子など、重要な器官を活性酸素から守る役割を果たしており、ビタミンEはその細胞膜に多く存在しています。細胞膜の中で最も酸化されやすいのは不飽和脂肪酸で、活性酸素によって酸化してしまうと、不飽和脂肪酸は、老化を促進する過酸化脂質になってしまいます。しかしビタミンE自体は非常に酸化されやすいため、体内で活性酸素とすばやく結びついて活性酸素を除去し、過酸化脂質が増えるのを抑えているのです。
玄米には葉酸が27μg(100g当たり)と、白米より約2.2倍多く含まれています。
葉酸とは、水溶性のビタミンB群の一種で、ビタミンB12とともに赤血球の合成に働くため、「造血のビタミン」とも呼ばれています。体内の葉酸のうち約半分が肝臓に蓄積され、その他の多くは細胞分裂の盛んな組織に存在しています。
葉酸は、たんぱく質や核酸(DNAやRNAの総称)を合成するための約20種類の酵素が働くために必要な補酵素として、重要な役割をもっています。
また、細胞増殖が最も盛んに行われる胎児期や幼児期の、健全な発育のために、葉酸は特に重要な栄養素です。成人にとっても、葉酸はたんぱく質の合成のために必要であり、腸管や口腔内などの粘膜は細胞の生まれ変わりが早く、葉酸が不足すると炎症などが起きやすくなるとされています。そのため、葉酸は皮膚や粘膜の健康を保つ効果があります。
さらに葉酸は、体内でビタミンB6やビタミンB12と共に、ホモシステインというアミノ酸をメチオニンやシステインに変換しているため、葉酸が不足してこの働きが正常に行われなくなってしまうと、血液中のホモシステインの量が増えて、血液凝固や血管内皮細胞の機能に影響を与えて、血栓を形成することで動脈硬化の原因になってしまいます。そのため、葉酸は動脈硬化を予防する効果があるとされています。
玄米にはビタミンB群の一種であるナイアシンが6.3mg(100gあたり)と、白米に比べて約5.2倍多く含まれています。
ナイアシンは、食品から摂取した糖質や脂質を燃やしてエネルギーに変えるときに必要な物質です。人間の全身の細胞において、消化や代謝で働く酵素を助ける役割をする補酵素として必要になります。また、酵素の構成成分としても体内に最も多く存在するビタミンであり、全ての酵素の2割は、働くときにナイアシンが使われています。
ナイアシンは食品から摂取する以外に、肝臓や必須アミノ酸のトリプトファンから作り出すことが出来るとされていますが、その際、ビタミンB1、B2、B6が必要となるため、これらのビタミンB群が不足してしまうと、ナイアシンを十分に体内で作り出すことが出来なくなります。
また、ナイアシンは体がエネルギーを生み出す働きの60~70%に関っており、ほかの物質と結びつくことでNAD(ニコチンアミド・アデニン・ジヌクレオチド)に変化し、糖質や脂質、たんぱく質の燃焼を促し、すべての生命活動の源、エネルギーを作るはたらきもあります。
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